内なる地球 第1章 ~「真の自己」を開く、「内なる世界」の旅路~
内なる地球 概要
主人公である東郷中道(とうごう なかみち)は、自己探求の技術のエキスパート。特に独自の技術である「陰と陽の内的自己を統合する技」を駆使し、クライアントの「アイデンティティの進化」を支援して行きます。ではでは、是非「内なる地球」の世界をお楽しみください。
自己探求の時代。
ここは東京駅のオシャレなカフェ。一人の男が人生について考えているようだ。ノートとペンを出し、ひたすら考え込んでいる。
「これからの、人生究極何者として歩んでいきたいのだろう・・・?う~ん。。。30も過ぎたから、次に人生の道を選ぶなら、10年、20年思いっきりコミットして突き抜けたい。う~ん。。。でも究極いったい何をしたいんだろう・・・?う~ん。。。」
そこに、軽やかな口調で40代半ばの男が現れた。ジーパンに、白いシャツにジャケットを羽織っている。年齢の割には若く見える雰囲気だ。
「おお♪お待たせ♪久しぶりだね~♪タク。」
タク 「あ!東郷さんお久しぶりです!今日は、お時間をいただきありがとうございます。いやぁ。先日は偶然出会えてよかったです。ちょうど、東郷さんに、今後のキャリアについて相談したかったんです。」
東郷 「おお!それは良かった♪まぁ、いろいろと悩む歳だよね。30過ぎると。」
東郷が席に座ると、続けざまにタクと呼ばれた男が話す。
タク 「そうなんですよ。20代はがむしゃらに走ればよかったんですが、このままだと、なんだか30代で頭打ちになる気がして。。。だから、今の道じゃないことは、分かってるんですが、じゃあ、本当に何がしたいの?って思うと、これ!ってのが見つからなくて。。。」
東郷 「ふんふん。なるほどね♪ちなみに、今後はどうしていきたいの?」
タク 「やっぱり、40代、50代の時に、突き抜けたいですね。できれば、せっかくグローバルな時代だから、世界を舞台に挑戦したいですし。でも、なんかこのまま、いろいろとやってしまうと。そこまで突き抜けない気がして。。。でも、今までも自分なりには、頑張ってきたつもりだから、そこそこ、いろんなことはできるようになったんですけどね。でも、器用貧乏というか。。。」
東郷 「なるほど。それは、僕の理論で言う『アイデンティティ分散』ってやつだね。優秀な人ほど、このアイデンティティ分散って状態になるんだ。そして、この時こそ、ちょっと小難しい表現だけど、『アイデンティティの統合』へのチャンスなんだよね。」
タク 「そうなんですか。。ちなみに、アイデンティティ分散とか、アイデンティティ統合ってどういう事ですか?」
東郷 「うん。まぁ、ザクッと説明するとね。アイデンティティ分散ってのは、現代特有のアイデンティティの課題なんだ。」
アイデンティティ分散の罠。
東郷 「今までは『自分探し』というと、自分がよくわからない若者のイメージだよね?これはアイデンティティの心理学では、『アイデンティティ拡散』と呼ばれるんだ。だから、20代前半は、自分をなんとか見つけて確立するために必死になるよね。そして、力を磨き、一定以上の成果が実現されると、自分という存在が社会的にも、自分の中でもある程度確立してくるよね。」
タク 「はい。僕も20代前半は、まさにむしゃらに走ってきました。『仕事にプライベートに思いっきり充実させるんだ!』って。そして、確かに楽しかったし、力もついたと思います。だけど、今はあの時みたいに、ただただ、がむしゃらにっていうのが、なんか違うかなって・・・」
東郷 「そうそう。『がむしゃらに生きることの陰と陽』が大人になると分かってくるからね。でね。さっきの話なんだけど、30歳前後になってくると、いろんなことができるようになるよね。例えばタクは営業職で、若い時MVPとかとってたよね?で、そのあともいろいろと頑張ったって聞いてるけど?」
タク 「はい!あの時は必死でした(笑)皆さんのお陰もあって、なんとかMVPも取れて。あの時は嬉しかったなぁ♪そして、そのあとは、その業績を認めてもらえてマネージャーとして3人のメンバーと共に走って成果も出しました。そして次は、その経験を活かして、採用担当としても、かなり結果を出せましたし、学生たちと語り合うのもすっごく楽しかったんです。」
東郷 「なるほど~♪そうなんだね。タクは優秀だから、『営業マン』としても、『マネージャー』としても、『採用担当』としても、結果をちゃんと出せたんだね。ちなみに、いろいろできると思うんだけど、今後も思いっきり磨いていきたいと思う『自分のど真ん中』と言えるのってどれ?」
タク 「いやぁ。実はそこが悩みどころでして。。。どれもそれなりにできるし、好きではあるんです。そして、今後どれかに絞って、思いっきり頑張れば、突き抜ける可能性も感じるんですけど。。。逆にどれも魅力的に見えてしまうし、他の可能性もあるかも。。。って思うと、一つに絞り切れなくて。。。だけど、この年になると『選択と集中』の重要性は知ってるので、絞り込んで集中して初めて大きな成果になることも分かってるので、絞り込みたいんですけど。。。うーん。。。」
東郷 「なるほどね。そしたら、いろいろとできるけど、どれをしたいか?は分からない感じだね。もしかしたら、これらの中のどれか、かもしれないし、他にもいろんな可能性があるだろうしね。」
タク 「そうなんですよ。まぁ、マネージャーとかは、人が好きだから、すっごく自分的にはしっくり来てるんですけど、そこに特化するべきか、それとも最近は企画とかマーケティングもやってみたくて、そっちを新しく開拓するか・・・。すみません。なんか、こうかっこよく『僕はコレで突き抜けます!』って言いたいんですけど、最近は、ずっとこんな感じで迷ってる時期なんです。。。」
東郷 「いやいや。別に謝る必要はないよ。タクは、いろいろとできる自分がいるし、新しい自分の可能性も模索したいんだよね。つまり、それは、それなりに『確立した自己』がたくさん自分の中にいるよね?実は、この状態が『アイデンティティ分散』と言えるんだ。いろいろできるがゆえに、どれに絞っていいかわからず、いろんな役割を担ってしまって、結局どれも突き抜けられない状態。」
タク 「あ!それまさに今の僕です。まぁ、それなりにはどの自分で行っても、いける自信はあるのですが、でも思いっきり絞り込まないと、突き抜ける気がしないって言うか。。。だけど、選びきれなくて。。。」
東郷 「そうなんだね。ちなみに、この『アイデンティティ分散』に陥ると、エネルギーが分散して、結局どれも中途半端になるし、『どこへ向かいたいのか?』という目的もあいまいになるのが普通だから大丈夫だよ。だけど、この時の『全力投球できてない感』がじれったいよね。本当はもっと、自分を発揮したいもんね。」
タク 「そうなんですよ~!もっともっと、本当はど真ん中を決めて、まっすぐに走りたいんですよ。」
東郷 「で。ここで、必要になってくる概念が『アイデンティティの統合』なんだ。これは、ある程度の自己確立ができた大人のための自己探求なんだ。ちなみ、『アイデンティティの統合』ができるようになると、分散して『ばらばらだった自己』が統合され、『真の自己』を明確にできるんだ。そうすると、どこに向けていいのか分からなかったエネルギーが、スーッと一本にまとまるんだ。そうすると、思いっきり自分を解放し、発揮できるようになり、自分の真の道をまっすぐ突き抜けられるようになるんだ。」
タク 「え!?そんなことできるんですか!?それ起こせたらマジで人類の命題の解決策じゃないですか!」
東郷 「うん。そうだよね。僕も、それは、『何者として、どこへ向かうのか?』という人類の命題への挑戦だと思ってるんだ。そしたら、僕自身もワクワクしてきちゃってさ(笑)で、3年間の実践と探求で、ようやく去年体系化されたんだ。そしたら、現実にすごくインパクトが出る人も出てさ。中には3カ月で1億円近い成果を出した社長さんもいたんだよね。」
タク 「え!?そんなこと起きるんですか?もしよかったらそのもっと聞かせて欲しいんですけど。。。いや。だって、僕だけじゃなくて、現代人はみんなそれが課題じゃないですか。お忙しい中、恐縮なんですけど。。。」
東郷 「うん。そうだね。まぁ、これもご縁だし、せっかくだから、タクのアイデンティティを統合しながら、説明していこうか♪」
タク 「え!?いいんですか!?いやぁ。それは、是非お願いしたいです!」
まとめ
『分散している自己』を統合できれば、『真の自己』を生きられる。
第2章 「 『内なる自己』の選択が、すべての始まり。」 に続く
「内なる地球」
~「真の自己」を開く、「内なる世界」の旅路~
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